このように2軸を設定し、商品を4象限にポジショニングしてみると、右上に行くほどに検討が不要で、左下にいくほど検討が必要な商品となることがわかります。

冒頭の「会社を成長させるために、正確な定量データに基づいた提案がほしい」というオーダーに応えるうえでも、こうした現状をとらえることは有用であり、会社の成長を左右する商品の選択と集中の判断材料になるはずです。

今回は、わかりやすく説明するために、ケースを単純化し、要素が数個の場合で説明しました。しかし、実際の仕事では、これとは比較にならないほどの膨大なデータから、何らかの方策を導き出さなくてはいけない状況があると思います。

ですが、基本はすべて同じです。

「客観的な数字の中から、『特異点』を見つけて、さらに深掘りしていく」

これをひたすら実行することによって、効率的にデータを読み解き、次のステップに進むことが可能になるのです。

木部 智之(きべ・ともゆき)
日本IBMエグゼクティブ・プロジェクト・マネジャー。横浜国立大学大学院環境情報学府工学研究科修了。2002年に日本IBMにシステム・エンジニアとして入社。2017年より現職。著書に『複雑な問題が一瞬でシンプルになる2軸思考』『仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?』(以上、KADOKAWA)がある。
【関連記事】
デキる人は資料を「8割手書き」でつくる
デキる人ほど資料で「ズル」をしている
デスクワークが速く見える人の"カラクリ"
"よいToDoリスト"を作る3つのポイント
エース社員の「エクセル活用術」