やるべきことが多すぎて、何から手を付ければいいのかわからない。そんな悩みを解決するのが「ToDoリスト(やることリスト)」です。「Lifehacking.jp」管理人の堀正岳さんは、「1枚の紙にタスクを書き出すだけで、頭を整理することができる」と説きます。ただし書き方には3つのポイントがあります――。(中編、全3回)

※以下は堀正岳『ライフハック大全 人生と仕事を変える小さな習慣250』(KADOKAWA)より抜粋、再構成したものです。

To Doリストを作って仕事をラクにしよう

やるべきことをたくさん抱えていて混乱しそうなとき、1枚の紙に書き出すだけで頭を整理し、生産性を上げることができます。「ToDoリスト(やることリスト)」を作ることは、仕事をラクにすることなのです。

堀正岳『ライフハック大全 人生と仕事を変える小さな習慣250』(KADOKAWA)

まだ仕事は片付いていないのに、それを書き出しただけでとたんに気持ちがラクになるのですが、その理由は私たちの脳が、複数のタスクを意識の中だけで管理するのが苦手だからです。気になることを書き出して客観視できるようにするだけで、頭脳にかかっていた負荷が減り、状況を整理する力が増すのです。

ToDoリストを作る際には、いくつかのポイントに注意すると、リストのなかに書かれた仕事をさらに実行しやすくなります。ToDoリストは未来の自分に向けてボールを投げるのに似ていますので、自分がそれを受け取りやすいように、上手に送球するわけです。

よいToDoリストを作る3つのポイント

ToDoリストに入れる項目をそれぞれタスク(仕事・作業)と呼びます。よいToDoリストを作るためには、記入する時点でいくつかのポイントに従ってタスクを選別しておきましょう。

(1)「やるべきこと」と「できればいい」ことは分ける

ToDoリストに入れるものは必ず「やらなくてはいけないこと」に限定します。「可能ならばやる」「できればいいな」と思っていることは、別の場所に保存しましょう。というのも、こうした希望や願望を入れているうちに、ToDoリストは時間と集中力の限界を超えて、肥大化してしまうからです。「やらなくてはいけないこと」が「できればいいこと」に追い出されないように注意してください。

(2)優先度はつけない

ToDoリストに、特に重要なタスクを赤字で記入して、優先度を示そうとする場合があります。しかし、これにも注意が必要です。多くの人は、優先度をつけることによって「こんなに重要な仕事があるぞ」と自分にプレッシャーを与え、自分に鞭を入れるように片付けようとします。

しかし優先度マークをつけたからといって、それを実行する時間がなければ片付きません。優先するタスクの数が時間と集中力の残りと関係なく増えれば、結果的にストレスを生むだけです。

優先度はむしろ「最初にとりかかることで気持ちがラクになるタスク」といったように、仕事を進める上での力になるものに限定するほうがよいでしょう。

(3)ToDoリストを不安のリストにしない

おかしいと思われるかもしれませんが、多くのToDoリストにはそのままでは実行できない項目が含まれていることがあります。たとえば「◯◯のプロジェクトを進める」「A社の案件を片付ける」といったように、何を言っているのかはわかるのですが「進める」「片付ける」とは何なのか、明確ではない場合です。

これは、ToDoリストを、「気がかりになっている不安のリスト」にしてしまっているときによく陥る状態です。

こうしたときは、むしろその不安を逆手にとって、「◯◯部分のコーディングを仕上げてプロジェクトを進める」「Aさんに電話をかけて案件をクロージングする」といった具合に、何をすれば気がかりや心配から解放されるのかを書き出し、具体的なタスクに変えていきましょう。