思う通りにいかない毎日を変えたい。そのためにはなにが必要でしょうか。「Lifehacking.jp」管理人の堀正岳さんは、「毎日数分で実践できる“近道の方法”を使うだけで、大きな変化を生み出せる」と説きます。この「近道の方法」こそが「ライフハック」。今回は、悩みや迷いが生じたときの決断速度を上げる方法を紹介します――。(前編、全3回)

※以下は堀正岳『ライフハック大全 人生と仕事を変える小さな習慣250』(KADOKAWA)より抜粋、再構成したものです。

「小さな近道」が大きな変化を生む

「人生は、ほんの小さな習慣で変えられる」――そう聞いたら、みなさんは信じるでしょうか?

世間では「生産性を上げよう」「働き方を改革しよう」とも喧伝されていますが、では、どうしたらいいのか? という問題の解決策を見つけあぐねている人も多いと思います。

堀正岳『ライフハック大全 人生と仕事を変える小さな習慣250』(KADOKAWA)

そんな問いへの一つの答えとして、私は「ライフハック」を提案します。

なかなか思い通りにいかない仕事や人生を変えるには、大きな決心や、派手な行動が必要だと思われがちですが、実際に毎日の生活を変えるのはむしろ「行動の変化」、つまりは習慣です。

毎日の行動を、毎日数分で実践できるような小さな“近道の方法”で入れ替えてゆくだけで、やがて大きな変化を生み出すことができるのです。そして、そうした“近道”を総称するのが「ライフハック」なのです。

ライフハックの本質とは何か

ライフハックとは「ライフ(人生)」と「ハック」の2つの合成語です。

ハックは「ハッカー」や「ハッキング」とも関連しているので悪い意味に受け取られがちですが、もとはプログラマーが問題を鮮やかに解決する際に使われる言葉です。

ライフハックという言葉はジャーナリストのダニー・オブライエン氏が2004年に行った「ライフハック:生産性の高いアルファギークの秘密」という講演からきています。

氏は、この講演で、生産性の高いプログラマーは他のプログラマーに比べて何十倍も仕事が速いものの、彼らが何十倍も頭が良かったり、高い技能をもっていたりするわけではないと指摘しました。

むしろ、人に見せるのが恥ずかしいほど簡単なスクリプト(プログラム)や習慣を繰り返し適用することで、日常に小さな近道を生み出し、いわば人生をハックしているのです。

このように小さなことを繰り返すことで、大きな成果が得られる。これがライフハックの本質です。

では早速、人生を楽しく、ラクにするライフハックの一部を紹介していきましょう。今回の記事では「判断・決断」を速くする方法を紹介します。