このように、仮説を立てて、さらなる分析への展開を考えてみます。

実際、仮説を立てて分析を進めていくと、最初に考えていた結論と違う結果が出てくることもあるので、「思い込み」に惑わされず、あくまで数値を冷静に見ることが重要です。

なお、定量データが豊富にあればあるほど特異点がどこにあるかも見つけやすくなるため、こうした仮説と検証もしやすくなります。

商品を4象限にポジショニングする

今回のケースでは、仮説(2)を採用して、4象限を使ったさらなる展開を考えてみることにします。

自社商品の選択と集中のために、それぞれの商品がどのようなポジションに位置づけられるかを4象限タイプで把握します。いわゆる、PPM(Product Portfolio Management:プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)と呼ばれるフレームワークの考え方です。

PPMはシンプルに言うと、「市場成長性」と「マーケットシェア」の2軸でセグメント分類し、それぞれのセグメントごとに戦略を考えるというものです。

今回は、このPPMの応用で「売上高の大きさ」と「売上前年比」の2つの要素をタテ軸とヨコ軸に設定しました。ここでできあがるのが、次の4つの象限です。

セグメント(1) 売上:大 前年比:プラス
セグメント(2) 売上:小 前年比:プラス
セグメント(3) 売上:大 前年比:マイナス
セグメント(4) 売上:小 前年比:マイナス

セグメント(1)は、自社の重点製品として位置づけるべきものです。売上高も大きく、伸びもありますから、いまのところ検討する必要はありません。

反対に、セグメント(4)は売上が少ない上にマイナス成長なので、場合によっては、切り捨てる候補となります。このセグメントにある商品に貴重な自社の資源を投下することはできません。

セグメント(2)は、今後の成長候補の製品群です。このセグメントにある製品に対しては、今後どうしていくか、突っ込んだ戦略検討が必要となります。

セグメント(3)は、このまま放置しておくと自社への大きなインパクトが避けられないおそれがあります。マイナス成長を食い止める施策を実行するか、製品自体が衰退期に入ってきているので一気に撤退させるか……。きちんと検討したうえで対応が必要です。