では、どちらをタテ軸にして、どちらを横軸にするか?
マトリクスの基本は、タテ長です。
つまり、数が多くなるものがタテ軸にくるので、このケースの場合は、「商品」がタテ軸にくると考えられます。
商品の力を測る要素「売上・売上前年比・利益率・返品率・販売年数」は、これ以上増える可能性が低いので、ヨコ軸になります。
マトリクスの枠組が決まったら、どんどんデータを入れていきます。
数字の中から「特異点」を見つける
マトリクスの中に無機質に並んだ数字を眺めていると、「んっ?」と引っかかる数字がいくつか目に入ってくるはずです。
そう、これが今回マトリクスをつくった目的で、この引っかかる数字が「特異点」です。文字通り、ほかとは違う特殊な部分という意味で、急に増加していたり、そこだけ減っているので、ちょっと気になる数字です。
定量データを見るときに最も重要なのが、大きく変化をしている「特異点」を見つけることです。反対に、「毎年、一貫して3%ずつ増加している」とか、「同じようなデータが並んでいる」といった場所は、特に注目する必要はありません。
「特異点」から、さらなる展開を考える
「特異点」を見つけたら、そこからさらなる展開を考えます。
ここまでは客観的な数値データを眺めるだけでしたが、ここから先は、自分の「解釈」を入れつつ、「仮説」を立てて次のステップに進む必要があります。
仮説(1)「全体の売上は下がっているけれども、本当に全商品が不振なのかはわからない。売上の大部分を占める5つの主力商品の直近5年間の売上の推移を『見える化』してみたら何かわかるかも……」
→展開:分析対象とする5つの商品の5年間の売上データだけを抜き出し、グラフの中でも「時系列での推移」がひと目でわかる折れ線グラフで表してみよう!
仮説(2)「(1)のような売上の推移だけでなく、利益も含めた全体の分布を『見える化』をしたほうが、利益率が高い「群」の特徴が見えてくるのではないか……」
→展開:2本の軸(売上と利益)で区切られた4象限でポジショニングをして表してみよう!