「米国は責任ある大国の振る舞いを示せ」と毎日

12日付の毎日新聞も「米国抜きTPPで大筋合意」との見出しを立ててTPP問題を取り上げている。

毎日社説は「TPPが目指すのはアジア太平洋地域の経済底上げである。米国の利益にもつながるはずだ」と指摘する。

そのうえでこう論じている。

「米国はインド太平洋地域のパートナーと強調した。安全保障も含めた体系的戦略は欠いたが、アジアに積極関与する姿勢を示したことは評価できる」

沙鴎一歩も同感である。

「2国間の通商交渉を推進する構えも重ねて示した。米国に都合のいい手法に固執するのは、責任ある大国の振る舞いとは言えまい」

これもその通りだ。そもそもTPPをスタートさせたのは米国だったはずだ。

「今回の合意は米国に復帰を促すてこになる」
「米国には粘り強く再考を求める必要がある。安倍晋三首相はトランプ氏と『深い絆で結ばれた』と語る。その関係は説得に生かすべきだ」

「説き続けるのは日本の役割」とする朝日と同じ書きぶりだ。やはりここは安倍首相にがんばってもらいたい。

米国の保護主義に「待った」かけた

もう一度、読売社説を取り上げる。今度は12日付である。「米国抜きTPP」のテーマに「保護主義圧力に先手を打った」との見出しを掲げ、保護主義の問題を取り上げている。

「米国で高まる保護主義に『待った』をかける重要な一手である。各国と結束を深め、世界の自由貿易推進の核として着実に発効させたい」

このように冒頭を書き出し、中盤からトランプ氏を批判していく。

「米トランプ政権は、偏狭な自国第一主義を振りかざす。北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉では、極端な米国優遇を求める。米韓自由貿易協定(FTA)は、韓国に再交渉を無理強いした」

こう書いたうえで日本への影響を指摘する。

「日本に対しても、対日貿易赤字の削減を狙い、日米FTAの交渉開始に強い関心を示している」
「TPPが再始動するからには、米国が日本に2国間交渉を迫ることがあれば、まずは米国にTPP復帰を促すのが筋である」

大切なのは米国に復帰を促すことである。ますます安倍首相の実力が試される。