お金さえあれば、人生は安泰なのか。もちろん、そんなことはない。雑誌「プレジデント」(2017年6月12日号)の特集「お金に困らない生き方」では、人生の後半戦にやってくる5つの「爆弾」への備え方を解説した。第1回は「離婚・再婚」について――。(全5回)
元夫が元妻に対して扶養義務が発生するケースが多い
無事、離婚が成立した。財産分与もした。これで伴侶と赤の他人になれる、と思いきや……。離婚サポーターで行政書士の露木幸彦さんはこう語る。
「夫婦はたとえ離婚しても、主に元夫が元妻に対して扶養義務が発生するケースが多いのです。顕著なのは、それまでは専業主婦の元妻が離婚後にパート仕事などをするとしても育児をしながらでは十分な収入を得られない、また高齢・病気などで仕事が探せない、といった場合です」
熟年離婚によくあるが、元妻が元夫に三行半を下し勝手に家を出るケースでも、この義務が発生する可能性があるという。
では、払う額はいくらが相場なのか。露木さんは家庭裁判所が示した基準をもとにこう語る。
「14歳以下の子ども(ひとりっ子)を連れた元妻の年収が100万円以下である場合で考えましょう。元夫の年収が800万円なら、元妻に払うのは月約7万円、年収500万円なら月約5万円。また、元妻の年収が約300万円である場合は、払う額は夫の年収が800万円なら月約6万円、年収500万円なら月約4万円です」
子どもの人数・年齢によっても支払額は変わる。いずれにせよ、その離婚が元夫の望んだものか元妻の望んだものかに関係なく、「以後」もかなりコストがかかるということだ。
同様に離婚後の想定外の出費事例として、最近増えていると露木さんが語るのが、元妻が連れていった子どもの教育費だ。