「ちょっと走ろう」は5分?30分?

私たちは、話の中で「ちょっと」や「よく」という言葉を口にすることがあります。この「ちょっと」とか「よく」という言葉はとても曖昧で、人によって理解が分かれる表現です。「ちょっと走ろう」と言った場合、具体的にどれくらいの時間を指すのか、分かりません。人によっては、5分を「ちょっと」と捉える人もいれば、20分や30分を「ちょっと」と捉える人もいます。

「もうちょっと走ろう」というより「あと5分走ろう」「あと100メートル走ろう」というほうがやる気も起こります。

私はコンサルタントとして、経営者の方々に、物事を「良い」とか「悪い」という言葉で納得してはいけないと話しています。売上げが前年比と同じなら「良い」と思う人もいれば、10%上がらないと「良い」と思わない人もいます。

何をもって「良い」とするのか、それを数値で示さないと判断できません。数値化することによって、ゴールが明確になり、目標を達成する確率も格段に上がります。

ただし、数字で示すときに気をつけなければいけないことがあります。それは、どの数字を選ぶか、何をベンチマークにするかということです。適切な数値を選んで、具体的に話ができれば、説得力が増し、相手も納得しやすくなります。

ここでもう一度、7つのポイントをあげておきましょう。この連載では、(1)と(7)について、ご説明しました。(2)~(6)については、私の新著『「超具体化」コミュニケーション実践講座』に“具体的に”書きましたので、そちらをご覧下さい。

具体化してコミュニケーション力を付ける7つのポイント

(1)「本当?」「なぜ?」「それから?」で具体化する
(2)漠然とした話で納得してはいけない
(3)必ず例え話をする
(4)自分がイメージしていることを再現しながら話す
(4)話したことを文章にしてみる
(6)相手に繰り返してもらう
(7)数字は究極の「具体化」である

※この連載では、プレジデント社の新刊『「超具体化」コミュニケーション実践講座』(2月20日発売)のエッセンスを<全7回>でお届けします。

(撮影=小倉和徳)