法人の9割、個人の8割が商品やサービスの購入前に複数のものを比較検討する。不毛な価格競争に巻き込まれる前に、営業マンは何ができるだろうか。競合営業マンの動きを把握して、魅力的な提案をぶつける方法を紹介する。

購入を決意するポイントは価格より中身と信頼

図1・2
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大手企業の購買部門では、1つの商品につき2、3社から仕入れることが常態化している。複数社から購入すれば、当然ながら価格・サービスの両面で競争が生じるため、かつてのようにルートを1社に絞るよりも有利な条件で仕入れることができる。不況が深まる中で、企業はこのメリットを重視しはじめたのだ。

仕入れ先を決定する際も、従来以上に競争原理を働かせる企業が増えてきた。たとえば、これまでは付き合いの長い取引先1社を優先していたケースでも、競合する2、3社を加えて必ずそれぞれに見積もりを出させるようにしている、というようなことである。