「気遣い」「気配り」乱発は単なるお人よしか?

社内で「気が効く」と評価されるのは、こういうことが日常的にできる人なのだ。彼らは、上司や同僚、部下、取引先の担当者がいま求めていることを察知する感度が高く、それに対して自分の能力の中で使える部分を提供しようとする。本人にしてみれば、無理せずにできそうなことをしているだけなのだが、してもらうほうは大助かりで、実質以上のありがたさを感じてしまう。

そうやってありがたがられる気配り上級者になるコツは、やはり想像力を磨くこと。代理人たる弁護人が、被告人の利益を最優先にして振る舞うように、あなたの仕事に関わる人の状況に目配りしておく。そして、困っているタイミングでサポートをするのだ。

ただし、欲張ってはならない。

行動するのは気づいたときだけに限定する。努力して気配りしても、相手に悟られて、親切の押し売りだと思われたらかなわないではないか。もしくは、気配りを乱発することで結果的に自分を安売りしまうリスクもある。

期待すれば裏切られるのが世の常――。優れた弁護人も、有罪確率99%以上の現実の中で、「それでも被告人は無実です」とがんばっている。助けるのは後々自分がピンチに陥らないためと割り切り、感謝されようとされまいと、マイペースでやっていく。それぐらいのバランスがちょうどいいのかもしれない。

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