【5】都心の有名私大 vs 地元の国公立大

医・歯学部など理系なら国公立が圧勝

地元の国公立大であれば、親は子供の生活費を仕送りする必要がないので、経済的には楽です。大学選びは就職まで視野に入れて行わなければなりませんが、地方の国公立大の場合、地元企業とのつながりが強く、地元に就職先が確保されているという点も魅力です。そのため最近は人気が高まり、競争も激しくなっているようです。

学費の面でも国公立は有利です。ただ、文系と理系とでは事情が異なります。というのは、私立大は学部によって学費の額が違いますが、国公立大のほうは文系・理系、さらに医学部・歯学部でも学費が変わらないからです。

たとえば私立大医学部は、初年度納付金の平均は700万円。82万円の国公立大と比べれば9倍近くに達します。一方、文系については、私立大でも初年度の納付金は123万円。国公立大との差は40万円ほどに留まります。その差が大きいという家庭ももちろん多いでしょうが、首都圏にお住まいの方なら、生活費の分を考えると、下宿させてまで地方の国公立大に行かせるより、都心の私立大のほうが費用は安く上がりそうです。

もう一つ考えておかなければならないポイントは、「地方ではアルバイトの口が少ない」ということです。基本的にサービス業が少なく、家庭教師をするにしても、バス路線もないところで、「車で来てね」と言われたりします。そういった事情も含めて、生活費込みでいくらかかるのか、総合的に試算しておくべきです。