【3】習い事あり vs なし

才能を過信せず大学進学の準備を

子供はいつ、どんな分野で才能を開花させるかわかりません。そのため、できるだけ多くの機会を与えてやりたいと親は思います。子供の可能性を広げてやるために習い事をさせるわけで、大学進学に必要な費用を別に確保できるあてがあるのであれば、好きなだけやらせていいでしょう。

ただし習い事の費用は財布との相談です。親はついわが子が天才ではないかと思ってしまいがちですが、スポーツや芸術で大成するのは非常に難しい。習い事を続けさせるにしても、普通に勉強して大学進学をめざす道を、親が自ら塞いでしまってはいけません。

こんな例があります。あるご家庭では、3人の子供それぞれに好きなことを追求させようと、幼い頃からプロのコーチをつけるなどお金をつぎ込んだのですが、そのために大学進学の費用が尽き3人全員が奨学金を借りなければなりませんでした。3番目の子供は高校進学のときから奨学金を利用していました。

このご家庭は事業家で、子供たちが小さかった頃は裕福だったのですが、その後経営が傾き、大学進学期には家計も火の車になっていました。悪いことに、そのことを把握していたのは奥さんだけで、ご主人はまるで気づかず対応が遅れてしまいました。

スポーツでそれなりの実績を残せば、たとえプロにはなれなくても、推薦で大学に進学できるかもしれません。ただ、そうやって進学しても、ちゃんと就職できるかは別問題です。最近は企業側も、推薦やAO入試で大学に進学した学生には厳しくなってきているのが実情ですから。