起業への覚悟は2~3分で見抜ける

――その個人投資家の方にどうやって最初アプローチされたんですか。

【吉田】もう正面突破ですよ。で言うとフェイスブックのメッセージで連絡を入れるとか。今でも、私のところに1週間に3~4通は会ってくれっていうチャットが来て、興味あれば会っています。

――結構よく会っているんですか?

【吉田】自分が相当苦労してきたので、なるべく会うようにしています。恩返しというか。自分の時間が許す限りは、なるべく会うようにしていますね。それでも最近は全部会うのは難しくはなっていますが。

――会って話を聞いて、人やビジネスモデルなどいろんな条件で、いけそうな人といけない人といるわけですよね。

【吉田】起業家って3つのタイプがあると思っていまして、お金軸で金融に強い起業家、テクノロジー軸で技術力を持っている起業家、人軸で組織とか仲間作りがうまい起業家。私は人に強みを持つ組織力、文化作り、そういうものにドメインがある人間なんです。テクノロジーに主軸がある人とか、金融に主軸がある人には、必ずしも私はいいアドバイスができるとは限らない。ただ、彼らが人的なもので困っていたら補完できるので、そういった出資はありますけどね。例えばテクノロジー軸の起業家って、そもそもの興味として技術が楽しくてしょうがないとかっていう人なんですよ。だから経営者のタイプがまたちょっと違ってくると思うんですよね。

――タイプによって出資する基準も違うんですね。

【吉田】そうですね。私はやっぱり人を見ています。人としての覚悟ですね。これは、本当に会って2、3分でほぼわかりますよ。どれぐらいの背景を持ってこれをやりたいと思っているか、言葉のニュアンスで全部わかるんですよね。語尾や、ふとした一言でわかっちゃう。逆にいうと、事業モデルとかは私は見てないです。創業時のビジネスモデルなんかは、うまくいかないことがほとんどですので。

【編集部より】元演劇青年だった吉田氏がなぜ起業したのか。また、クラウドソーシングによって、個人の働き方はどう変わるのか? 吉田氏とクラウドワークスについて、田原総一朗氏がじっくりインタビューしています。詳しくは書籍『起業家のように考える。』をお読みください。
(村上 敬=聞き手 細谷滝音=構成)
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