働かないことの経済的損失は、1億3500万円!

上記それぞれのカテゴリーに対して、働きたくなる効果的な手法やアドバイスについては、キャリアカウンセラーなどのキャリアの専門家にお任せしたい。ここでFPという立場からお話しているのは、働かないことに対する経済的損失についてである。

以下の図表は、女性の3つ働き方とそれぞれの生涯収入の試算である(【図表1】参照)。
まったく働いたことがない「専業主婦妻」と、大学卒業後60歳まで正社員で働いた「会社員妻」の公的年金も含めた85歳までの生涯収入の差は、なんと10倍以上ある(1560万円と1億6000万円)。

結婚するまで正社員で働き、子育て期間の後、再就職してパートで働いた「パート妻」と比較しても約5倍にもなる(1560万円と8100万円)。

働きたくないという妻には、まず働くことが大切な財産であることを知っていただきたい。自分の付加価値を高め、それで高い収入(リターン)を得るのは一種の投資でもある。

前述のカテゴリー4の場合、経済的な側面とは無関係に思うかもしれないが、何らかのアクシデントが生じて、一気に家計破たんへと転落してしまうのは、実はこのようなタイプの人だ。経済的に恵まれていて、今さらあくせく働きたくないと“サボって”いると取り返しのつかないことになるケースもあるのだ。

たとえば、高収入だった夫が突然事故にあった、病気になった、亡くなった、リストラされたなどで収入が激減。収入に応じて組んだ住宅ローン返済や私立に通学する子供たちの教育費、膨らんだ生活費などが見直ししきれず、たちまち困窮してしまうといったパターンである。それほど、夫の収入に依存度が高い専業主婦という立場は、高リスクということを自覚しよう。