「どこで誰が何を決めているのか不透明。ブラックボックス」。7月の都知事選出馬表明会見で自らを推薦しない自民党都連を批判し敵役に仕立て上げて「小池劇場」が始まった。同じ頃、築地市場の豊洲移転、東京五輪の予算膨張といった問題がメディアで騒がれており、公約に掲げた利権追及の御旗が突き刺さる。「不透明な自民党VSしがらみのない小池」という二極対立が完成した。
これはかつて劇場型政治を演出した小泉純一郎元首相と同じ手法である。「抵抗勢力VS小泉構造改革」を演出し、国民を熱狂の渦に巻き込んだ。その象徴が2005年「郵政選挙」。党内の郵政事業民営化の反対派を公認せず、同じ選挙区に「刺客候補」を擁立して落選に追い込んだ。骨肉の争いは人々をさらに興奮させ、小泉氏に圧勝をもたらした。当時の小池百合子氏は、東京10区への刺客。“出演者”としてノウハウを学んだか、今回は「抵抗勢力」を「党都連」に置き換えて「劇場」を演出した。
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(AFLO=写真)