20万円かかったが、仕事運・金運がアップ!

正直に言えば、計4回の訪問は精神的にも肉体的にもキツかった。それに1回目の訪問前には私なりに時間をかけ徹底的に整理整頓した(ほとんどムダな抵抗だったが)。訪問直前はプレッシャーで胃が痛くなり、病院にいったら「たぶん十二指腸潰瘍」と診断された。

笑われるかもしれないが、結婚当初の夫婦の理想は「パークハイアットホテルみたいな家にしたい」だった。そんな快適な空間で私は「もっと読書や植物の手入れをしたい」と思っていた。だが、4日間の「ダメ出し」でつくづく現実を知った。打ちのめされた。

しかし、草間さんは優しく言ってくれたのだ。

「部屋が雑然と美しくないのは、家主がだらしないのではなく、モノがあるべきところにちゃんと納まっていないから。仕組みができていないだけです。自分を責めてはいけませんよ」

そうか、私がいけないのではないのか。そうと思うと随分気持ちがラクになった。

家の細部まで、片付けていただき、しかも美しくすべてが収まり、あとは、使ったらそこに戻すだけだ。タオルのたたみ方もホテルのようだし、キッチンに出ていた細かな調味料も動線に沿ってあるべきところに収まった。

いったんこの仕組みができてしまえば、モノは減少傾向へ進むという。リバウンドもしないという。もはやブラックホールはない。自分がどんなものをどれだけ持っているか把握できたので、今後目的をもって買い物もできる。そう確信できる。

美しく収納し、好きなものに囲まれて暮らす。その生活習慣が、生活のノイズを消し去ってくれる。「好きなこと・モノ」や「やるべきこと」を明確にしてくれる。そうした美的「収納思考」はまた、着実に仕事につながっている。前述したように、仕事が確実に増えたのだ。

見ず知らずの人を我が家に迎え入れるのはハードルが高いだろう。費用もそれなりにかかる(3人のスタッフで1時間1万5000円、1日5万~7万円が目安。筆者宅のモノの量で4日間で計約20万円)。しかし、この経験は悪くない。それに草間さんを含めスタッフはみな、凛として美しかった。作業を見ていて、気持ちよかった。やはり、家をキレイに保てる人は、自身もキレイに整える人なのだと感動したのだった。

左がビフォー、右がアフター。代表の草間さんによれば「美的収納」で家を整理整頓した50代の女性はその後、20歳年下の男性と結婚したといった例も多いという。恋愛・結婚運にも効く?
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