年の瀬も迫り、そろそろ家の片づけをしなくては、と思っている方も多いのではないだろうか。そこで、近年の片づけ本のベストセラーを紹介しながら、片づけの極意をかいつまんでお伝えしたいと思う。片づけが行き詰まったときにぜひ実践していただきたい。

まず、2009年にヒットした『新・片づけ術 断捨離』(やましたひでこ著/マガジンハウス)、『断捨離のすすめ』(川畑のぶこ著/同文館出版)。10年の流行語に選ばれるほど流行したこの言葉のルーツは、心の執着を手放すヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」で、この考え方を片づけに応用したもの。まずは物を断つこと(断)、そして一つ一つの要不要を吟味して、心の執着とともに手放すこと(捨)、これを繰りかえすうちに、家の中だけでなく、心も軽やかに調う(離)というものだ。つまり、片づけとは、単に家をすっきりさせるだけでなく、物を手放すことで心の執着から自分を解放させていくプロセスなのだ。捨てるのがためらわれるときは、「物を捨てるのではない。執着を捨てるのだ」を念頭にどんどん捨てていこう。

10年に刊行されて4年近く売れ続け、シリーズ累計180万部を突破した『人生がときめく片づけの魔法』(近藤麻理恵著/サンマーク出版)も、片づけは人生に通ずるという。この本の新しいところは、「触ったときにときめくかどうか」で捨てるものを選別すること。このシンプルな指標があれば、てきぱきと作業が進むだろう。

さて、ここまでは自分の持ち物の片づけについて。13年頃から各社から刊行され始めたのが「実家の片づけ」本だ。高齢化が急速に進む今、実家の片づけは社会全体の課題。自分のものを捨てるのならまだしも、親のものを捨てるとなると、なおさら選別に悩むもの。そこで紹介されているのが、宅配買い取りサービスだ。インターネットで申し込んで宅配便で品物を送ると、後日査定金額が知らされる。捨てることには抵抗する親も、再利用されるといえば納得しやすい。きれいに片づけて家も心もすっきりした年始をお過ごしいただきたい。

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