信頼関係があれば仕事と友情は両立

戸塚さんはHBSを修了後、帰国してマッキンゼー&カンパニーに入社。経営コンサルタントとして活躍した後、2007年に独立した。マッキンゼー時代、世界各国にいるHBS修了生たちとは、情報交換などでお互いに助け合ってきたという。

「独立したときも、友人たちに支えてもらいました。実は、私は『金がからむと、友情が壊れるのではないか』と心配していたんですが、最後に頼れるのは友人だと痛感しました。会社の看板といった社会的信用がなくなっても、友人は私のことを理解し、協力してくれたのです。個人的な信頼関係があれば、仕事と友情を両立させることができると思います」

その戸塚さんが、初対面の人とすぐに親しくなれるHBS流のテクニックを教えてくれたので紹介しよう。基本は相手の名前を3回呼ぶこと。

まず、お互いを自己紹介するとき、「山田太郎さんですね」と、相手の名前を必ず口に出す。次に、会話のなかで質問するときも、「山田さんは、どこにお住まいなんですか」といった具合に、相手の名前を呼ぶ。そして、最後の別れ際の挨拶でも、「山田さん、また今度、お会いしましょう」などといって、相手の名前を口にする。

人間は自分の名前を呼ばれると、相手に親近感を抱く。相手の名前を3回呼べば、その場で記憶できるし、相手にも好印象を残せる。「質問の際も具体的な仕事の内容などを質問すると、相手は『自分に関心を持ってくれた』と感じます」と戸塚さんはいう。

【人脈づくりの第一歩、初対面の人の「名前」を覚える3つのコツ】

相手の名前を口に出す名前を覚えるのは友情の入り口
   ↓
相手の名前を呼びながら質問具体的な仕事の内容など相手に関心を示す
   
別れ際にも名前を呼ぶ親しくなりたいことをダメ押しで意思表示
   
電話やメールなどでの次のアポ取りや相談もスムーズに

経営コンサルタント 戸塚隆将

1974年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。ゴールドマン・サックス勤務を経て、ハーバード経営大学院でMBAを取得。マッキンゼー&カンパニー勤務の後、2007年にシーネクスト・パートナーズを設立し社長に就任。グローバル事業開発などを支援している。
(南雲一男、宇佐見利明、加々美義人=撮影)
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