乱気流に自ら突っ込む覚悟を常に持っている
▼禍を転じて福となす人の習慣3
甘んじて辛さを受け止める
とはいえ、禍に相対するのは恐ろしいものです。
大きな失敗をした後やクレーム対応といったリカバリー作業は、いわば乱気流の中に突っ込む飛行機のようなもので、相当な覚悟が必要です。当然、その過程では辛さを引き受けることなります。
問題は、その過程の辛さを避けようとせず、真正面から受け止める覚悟です。
ある人事部担当者は会社の不況時にリストラを勧告する役割を担いました。500人にクビを伝えるのです。
この人事担当者は、断腸の思いでこの役割を引き受けました。仲間への愛情と思いやり、その後の生活が困らないように再就職の斡旋は自分でやろうと覚悟したのです。
500人の落胆と怒りに直面するのは、尋常ではない精神力です。しかし、この担当者の愛情と思いやり、真摯な姿勢は9割以上の社員に受け入れられ合意にたどり着いたのです。
辛さを甘んじて引き受けると、自分の「枠」が広がります。枠が広がるとその禍を受け止める能力が高まるのかもしれません。
枠とは、自分の意識なので、こういう禍に直面しなければ広がることはありません。器が大きいとも言えますが、敢えて枠と言います。器というとどうしても先天的な要因をイメージされるからです。
しかし、大切なことは今の自分の枠を広げ続けること。乗り越えられない逆境はこないと信じて、枠を広げていくことが重要なのです。
以上、3つの思考習慣を見てきましたが、総じて「起きることは全て意味がある」という受容と挑戦を生み出す認識を持っているのが特徴です。
私たちが目の前の逆境を乗り越えるヒントになれば幸いです。