一部でGPIF解散・廃止の声も上がっている

ここにきて為替ヘッジを持ち出すなら、海外のリスク資産を大幅に増やすのに際して、変動の激しい為替ヘッジの比率(30%程度が1つの目安とされる)・タイミング(ファンダメンタルズ分析や各国の通貨戦略を踏まえて)を考慮しないままというのは、投資戦略としていかがなものなのか、との疑問は残ろう。

政府主導の円安誘導政策に忖度し、円高のリスクから国民の財産を守る行動を躊躇した……という側面はなかったのか。運用に伴うリスクを目の前に、しかるべき対応をとらないなら、リスク管理の方法も含めたガバナンスが真に機能しているのかが問われることになる。

もはや言わずもがなではあるが、GPIFが運用の対象としているのは保険料のうち年金支給に充てられなかった公的年金積立金である。従って、出資者は国民であり、国民の財産ということになる。ちなみに、年金支給については2009年から国庫負担率(税金投入)が2分の1へ引き上げられているが、保険料として支払った年金にしても、税金投入にしても出資者が国民であることに変わりはない。

あらためて、GPIF自身が主眼に掲げた、年金給付を賄うための改革となりえているのか、年金制度のグランドデザインはどうあるべきなのか、出資者である国民は淡々と問う必要があろう。