毎日1個は食べたい食品

それが94年、24人の健康な人を対象にしたデンマークの研究で、毎日2個の卵を6週間摂取したらHDL(善玉)コレステロールが10%増加したことが判明。99年には、ハーバード大学の研究者たちが、健康な人は1日1個の卵を食べても、心疾患や脳卒中のリスクにはほとんど影響がないと発表。

そして2006年、コネチカット大学の研究者は、コレステロールを多く含む食品を食べても、血中コレステロール値はほとんど無関係とし、卵の“汚名返上”へ向けて一気に歩を進めました。

卵を一度に大量に食べることは推奨できないものの、健康な人なら、栄養食品として毎日1個は食べたい食品ともいえるでしょう。ただし、高LDL(悪玉)コレステロール血症患者や糖尿病患者などは、依然、卵の摂取には慎重になってください。

 
大西睦子
内科医師・医学博士。東京女子医科大卒業。国立がんセンター、東京大学を経て、2007年から13年まで、米国ハーバード大学リサーチフェローとして、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度受賞。著書に『健康でいたければ「それ」は食べるな』『カロリーゼロにだまされるな』など。
(小澤啓司=構成)
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