和食を見習ってガン死亡者が減った!

『なぜ、「おなかをすかせる」と病気にならないのか?』石原結實著(プレジデント社)

1970年代、心筋梗塞やガン、脳梗塞、肥満などの生活習慣病が多かったアメリカでは、1975年、上院に「栄養改善委員会」が設けられ、医学者に「全世界の栄養状態と病気の状態」を調べさせた。2年後に、5000ページにも及ぶ調査報告書が出されたが、その冒頭に「アメリカの反省」が載っている。これを見たマクガバン上院議員が「我われはばかだった。我われは造病食、殺人食を食べていた」と涙ながらに上院で演説したという話は有名である。

その主旨を要約すると、以下のようになる。

1. 1日のエネルギー摂取量の55~60%を炭水化物にする
2. 1日のエネルギー摂取量の30%まで、脂肪摂取を減らす
3. 飽和脂肪酸(バター、ラードなど動物の脂)と不飽和脂肪酸(魚油、植物油などの油)の摂取量の比率を同等にする
4. コレステロールの摂取量を1日30mgまでに減らす
5. 砂糖の摂取量を40%減らす
6. 塩の摂取量を1日3gまでに減らす

そして、以下のようにまとめている。

具体的には、くだもの、野菜、未精白の穀物、鶏肉、魚、スキムミルク、植物油の摂取を増やし、牛乳、肉、卵、バター、砂糖・塩・脂肪の多い食物の摂取を減らすことによって、この目標は達成されなければならない……。

以来40年、アメリカ人は「和食こそ世界一の健康食」であることを理解し、ふだんの食生活でも米や豆腐・味噌などの豆製品、魚介類を多くとるようになった。その結果、2011年には1977年に比べて心筋梗塞による死亡数が58%、ガンによる死亡数が17%も減少した。先進国のG7加盟国としては、唯一ガン死亡者が減っている国でもある。

※本連載は『なぜ、「おなかをすかせる」と病気にならないのか?』(石原結實 著)からの抜粋です。

石原結實(いしはら・ゆうみ)●医学博士・イシハラクリニック院長。1948年、長崎県長崎市生まれ。長崎大学医学部卒、その後同大学院博士課程を修了。1982年、イシハラクリニックを東京に開設。
オフィシャルサイト http://www.ishihara-yumi.com/
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