リーダーに必要なこと
蒸し暑い夜、考えた。いったい、リーダーシップって何だろう。では、キャプテンシーとは。11日夜、東京都内で、ラグビーの元日本代表キャプテンであり、昨年のワールドカップ(W杯)の日本代表の精神的支柱であった広瀬俊朗さん(東芝)と、アフリカのスーダンで医療活動に奔走するNPO法人ロシナンテス理事長の川原尚行さんの興味深い“トークライブ”が行われた。
テーマが「未来の日本ラグビーを語る~組織のリーダーに必要なこと~」だった。イベント終了後、ふたりの著書を即売会で購入し、「リーダーに一番必要なこと」をそれぞれ本に書いてもらった。
広瀬さんは考えた挙句、自著の『なんのために勝つのか。』(東洋館出版社)の赤色のページに金色で「大義」と書き、川原さんはすぐに自著の『行くぞ! ロシナンテス』(山川出版社)の白色のページに「志あるのみ」と黒ペンを走らせた。大義も志も、何のために生きるのか、という根っこのことである。
「なんのために勝つのか」といえば、35歳の広瀬さんは「大義を実現するため」と漏らした。広瀬さんは著書の中で、日本代表の大義とは「日本のラグビーファンを幸せにできる喜び」「新しい歴史を築いていく楽しさ」「憧れの存在になること」と記している。
日本代表を指揮したエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は強烈なリーダーだった。まず、“ぶれない”。W杯に向けての目標を「日本ラグビーの歴史を変える」と明確に示し、すべてにおいて正しい準備を重ねていった。選手たちに「究極のハードワーク」も科した。ジョーンズHCは就任直後の2012年春、広瀬さんを主将に抜擢した(14年、リーチ・マイケルと交代)。