目指すは、金
リオデジャネイロの勝負が近づいてきた。オリンピック大会に引き続き、障がい者スポーツのパラリンピック大会が開かれる。注目は、ウィルチェアーラグビーである。車いすに乗って戦うラグビー。その日本代表はリオでズバリ、金メダルに照準を合わせている。
6月下旬、「快挙」は起きた。ウィルチェアーラグビー発祥の地、カナダのリッチモンドにおいて、ウィルチェアーラグビーの日本代表が地元カナダを57-55で倒したのである。日本は世界ランキング3位、カナダが同1位。日本のカナダ戦勝利は史上初だった。
その勝利の1週間後、東京都港区で『みなとスポーツフォーラム』(主催:港区スポーツふれあい文化健康財団、日本ラグビー協会)が開かれた。テーマが「いざリオへ ウィルチェアーラグビーの激しさと魅力」。エースの池崎大輔さんほか、島川慎一さん、今井友明さんの日本代表3選手が参加した。幸運にも、筆者が司会を務めさせてもらった。
ウィルチェアーラグビーは、車いす同士のぶつかり合いが許された唯一のパラリンピック競技である。魅力の一番は車いす同士の激突にある。実際、池崎さんと島川さんに実演してもらったら、激しい衝突音が場内に響き渡った。その迫力たるや。参加者からは悲鳴もあがった。
33歳の今井さんが「ドラム缶同士がぶつかるような迫力。すごい衝撃です」と説明する。こわくありませんか、と素朴な疑問を口にすると、38歳の池崎さんは「いまは怖くありません」と顔をほころばせた。
「初めて海外にいったときは、正直、そういう恐怖感ってありましたよ。自分よりからだの大きい、はやい人が、あたりにくるわけですから。でも絶対負けたくないから、どんどんトレーニングしてからだを大きくして、ここまで成長することができました」