圧勝の香港戦も「出来は21%」

まさにプロフェッショナルである。ラグビー日本代表を指揮するエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)。チームを上昇気流に乗せ、この秋のワールドカップ(W杯)で「ターゲットはW杯の準々決勝進出。日本ラグビーの新しい歴史をつくる」と宣言した。

2日のアジアチャンピオンシップの香港戦(秩父宮ラグビー場)。41-0で圧勝すると、ジョーンズHCはこう、言った。

「前回の韓国戦(4月18日)の出来は20%だった。きょうは21%に上がった。ここから毎日、1%ずつ上げていけば、9月19日には100%になるだろう。計算があっているかどうか、確認しておいてください」

9月19日とは、日本代表のW杯初戦、南アフリカ戦である。HC就任4年目の55歳。勝つチーム作りは明快である。まず目標を明確にする。その上で逆算してのスケジュールを立て、周到な準備を重ねていく。

ことしの日本代表の活動期間はざっと160日にも及んでいる。2週間前には、W杯本番会場視察のため、代表チームとしてイングランドツアーを実施した。こんなの日本としては前代未聞だろう。会場の芝生などの施設をチェックし、雰囲気をつかんだ。

帰国するや、合宿地の宮崎に入り、ハードトレーニングを敢行してきた。日本人ラガーの持ち味が「勤勉さ」「忍耐力」。これを活かし、世界一のフィットネス作りを目指す。走って、走って、当たって、走る。

合宿では、あの無人飛行機「ドローン」を飛ばして、搭載したカメラで上空から選手の動きを撮影する。選手の立ち位置、スペースがよくわかり、各自の走力アップ、スキルアップに役立っているそうだ。