あえて社会保険に加入するパート妻の「理由」

こうしてみてみると、扶養内で働く方がおトクと思われるかもしれません。年収106万円未満で働くと、社会保険料を支払わずにすみますから。

一方で「壁」を気にせずに働けるだけ働くメリットももちろんあります。

年収130万円以上働けば、働いた分だけ収入が増えますし、負担した保険料に応じて将来の公的年金の上乗せ金額が増えます。しかも、厚生年金の保険料は勤務先との折半。健康保険では自分で加入していれば、病気や怪我で仕事を休んだとき「傷病手当金」が給付されます(条件あり)。

このように、長い目で見ればおトクな場合は少なくありません。私自身は、壁を意識せず働けるだけ働いたほうがいいと考えています。

▼国が企業に補助金を配る「思惑」とは

労働人口が減少している今、企業は人材不足に悩まされ、また国は税収減に悩まされています。国も企業も、パートの方には「壁」を気にせず働いてもらいたいのです。

2016年10月の改正にあわせて、同年4月から国は対象となる企業に「就労時間の延長(パート労働者が働く時間を週5時間以上延長)」と「賃上げ(大企業で2%、中小企業で3%以上)」を条件に、補助金を配っています。

パートの方は、就労時間の延長と賃上げによって増えた収入で社会保険料を支払い、手取り額の減少を緩和できます。企業側は、配られた補助金で社会保険料の負担増を抑えられます。

ただし、この補助金の支給は2019年度までの一時的なものです。「社会保険に加入することをいとわずに働けるだけ働いた方が良い」とパートの方が思える仕組み、例えば、同一労働同一賃金などの企業の均等待遇、就労を後押しするような給付き税額控除などの施策を実施しないことには、2020年度以降、ただ単に働く人が減ってしまうことにもなりかねません。

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