シングルモードでいこう

例えば、ある時間帯は電話でのアポ入れに集中する。タスクの区別なしに、今日、連絡しなければいけない相手に電話をかけまくる時間にしてしまうのだ。

メールも同じように、今から30分はメールの時間というように時間を決め、送信・返信の作業をまとめてやってしまう。パワポやエクセルを使った資料を作成するのも同じ。作らなくてはいけない資料は、まとめてやってしまったほうが集中力が持続しやすいし、図表作りのいいアイデアも出てきやすいのだ。

「企画を練るなどの思考するモード、人とコミュニケーションするモード、電話モード、メールモード(読むのと書くのは異なるモード)など、仕事はいくつかの作業に大別されます。(前出のA社、B社のような)タスクの区別なく、それぞれを作業ごとに整理してまとめてしまえば、ギア(モード)チェンジに伴う時間のロスも大幅に減ります」

マルチタスクは、このようにできるだけシングルモードで取り組むように工夫してみよう。時間を短縮できるばかりでなく、クオリティも高くなるだろう。

習慣化コンサルタント 古川武士(ふるかわ・たけし)
関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。オリジナルの習慣化理論・技術を確立。著書に『力の抜きどころ』など。プレジデント・オンラインで月2回「得する習慣、損する習慣」連載中。
(構成=遠藤 成、大塚常好)
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