脳は楽しそうなことが好き

現実の仕事はほとんどがマルチタスク。こなすべき仕事が複数存在する。横軸を緊急度、縦軸を難易度にして仕事を分けた場合、あなたはどれから手を付けるだろう?

仕事の優先順位はどの順?

「まず取り組むのは緊急&簡単、次に緊急&難解、3番目は非緊急&難解、最後が非緊急&簡単。私なら迷わずこの順番をつけます」と本郷赤門前クリニックの吉田たかよし院長は言う。

「難しいものは、後回しにしがちだけれど、とりあえず着手は早くしたほうがいい。というのも、難解な仕事ほど脳で処理する作業が複雑で、どうやればよいのか答えが見つからない。でも脳は自分で意識していないときも無意識に問題を解決しようとするデフォルト・モード・ネットワークという働きがあります。すぐには終わらないのが難解な仕事。手を付けて行き詰まったらほかのことをすればいい。寝るのもいい。その間に自動的に脳が情報の処理、整理整頓といった複雑な作業をしてくれ、そこからアイデアが生まれるのです。その時間をキープするためにも、やはり早くスタートラインにつく必要がある」(吉田院長)

諏訪東京理科大の篠原菊紀教授は別な角度からこうアドバイスする。

「仕事の難易度を客観的につけるのは難しいので、したい順を軸にしたほうがいい。困難な仕事でもワクワクするときってあるでしょう」

急ぎの仕事は?

「もちろん緊急の度合いもあって、明日締め切りとなったらやる気もへったくれもない。四の五の言わずに始めるしかない。やる気はなくても実際に仕事を始めると線条体の活動は上がってくる。ただ、全体の仕事量の効率を上げるのだったら、とりかかる前のやる気を重視したほうがいい」

吉田院長も同じ意見だ。

「楽しそうなことからやるというのはすごく正しい。また楽しくやるということもとても大事。ある日はそれが楽しかったのが、次の日には楽しくなくなることもある。脳がそのとき、その作業に向いているかどうか判断しているのです」