話し合いがケンカみたい? 意見を言わないことは悪

――いまの会社で嫌な経験はある? 日本企業と比べて悪いところは。

【アリババ】悪いことではないかもしれないですが、意見をどんどんぶつけていく文化なので、最初は戸惑いました。私の場合、入社初日にオフィスで健康診断を終え、オリエンテーションを受けて即、中国に行ったんです。そのとき、隣の会議室で喧嘩しているような声が聞こえてきて、「なんかすごいところに来ちゃった……」と思ったのを覚えています。

日本だったら、いやと思うことがあると遠慮しますが、中国では直接ぶつけます。でも、終わったら普通に仲良く喋っていますね。むしろ中国だと「意見を言わないことが悪」みたいなところがある。とりあえず無理だと分かっていても、伝えてみよう、まずは言ってみなくちゃ、という文化です。こっちからすると、「なにを無理なことを言っているんだろう?」と思うこともしばしばですが、無理だろうとなんだろうと「とりあえず自分が思っていることを伝えておく」という感じのようです。

【バイドゥ】よく分かる。そういうことあるよね。

百度(バイドゥ)は、中国最大の検索エンジン提供会社。全世界の検索エンジンではGoogleに次いで2位。本社は北京にあり、社員数は4万5000人。日本では、2000万ダウンロードを達成したスマホ用日本語入力アプリ「Simeji」事業でも知られる。バイドゥ・ジャパンの社員数は現在約30人。
――そんな中にいて、自分も変わったと思う?

【アリババ】そうですね。言わないと自分がやりたいことができないし、向こうがどんどん言ってくるから、それに合わせていたらなにもできなくなる。だから、ある時は上の人から伝えてもらったり、ある時は英語がもっとできる人や中国人の同僚に「こう言って」と頼んだり。周りをうまく巻き込めるようになったと思います。

コミュニケーションしていくと、だんだん向こうも本音で言ってくれるようになったり、気をつかってくれたりする。なにも言わないで言いなりになっていると、本当にやりたいことがなにもできなくなると思います。

【バイドゥ】中国語という言語は、感情的に聞こえる言語かもしれない。いろいろ言い争っても、その後は何もなかったかのように、終わったらサラッとしている。切り替えが早いですね。