――3人とも直前まで日本企業に勤めていた。いくつかの選択肢の中から、今の企業を選んだ決め手は?

【バイドゥ】オフィスが六本木ヒルズなんです。人生で1回くらい六本木ヒルズで働いてみたいと思っていたもので(笑)。真面目な理由としては、「これまでのキャリアを生かせるな」と思ったのが大きいです。前職ではポータルサイトや検索サービスの広報をしていたのですが、バイドゥもネット企業ですから。ITや検索と人との関わりがテーマであるなど、共通点があったのが決め手になりました。

バイドゥ株式会社事業企画本部マーケティング部広報の岩間千香子さん

私は転職しようと思って最初に受けたのがバイドゥだったんですが、面接したその日に結果が出て、積極的に誘われたのもあって決めました。「捕まえたら離さない!」みたいな感じで、スピード感も良かったんですよね。

【ファーウェイ】前職がゲーム会社だったので、IT系、コンテンツ系の広報職に限定して探しましたが、転職するまでファーウェイのことは知りませんでした。調べてみるとアニュアル・レポートなども2000年から出していて、しっかりしている会社だということが分かって決意しました。当時、中国の企業であるということで製品や技術の信頼性に疑問を投げかける声(注:米政府は2012年、Huaweiの創業者兼CEOのRen Zhengfei氏が人民解放軍に所属していたことから中国政府とのつながりがあると疑い、通信インフラでの同社技術の利用を推奨しないという報告書を出した)が出ていましたが、ファーウェイはそうした中でも各国有識者を招いたアドバイザリー・ボードを設置するなど、適切な対応をしていたのを見て、その辺りも信頼できるかなと。周囲の中にも、いまは中国企業に転職するのはいいんじゃないと勧めてくれる人もいました。

いくつか企業を紹介してもらった中でも、ファーウェイには核になる強みがあると感じました。核がある会社は、広報としても最前線で核となる強みを探る面白さがあるんですよ。自社でチップセットから作っており、技術力があります。もちろん成長もしていましたし。

――木村さんは海外企業に興味があったといっても、中国と縁があったとか、中国語が話せたというわけではないですよね。

【アリババ】そうですね、学生時代に行ったのはイタリアとアイルランドで、全然関係ありません(笑)。(2009年に入社したころ)中国は当時伸びているという印象がありました。欧米系企業も憧れますが、すでにプレイヤーがたくさんいて、英語も大して話せない私が行ってもどうにかなるとは思えなかったし。その点、中国はまだまだ携わっている人が少ないので面白そうでした。ソフトバンクグループなので、企業としても安心感があった。