風営法改正で出現、無店舗型デリヘル

──新商品やサービスは、時に法改正を逆手にとる形で生まれる。風俗産業もまた同様だ。

風俗産業は規制を設けられては対象業種が廃業し、法に抵触しない新業態が生まれる、という法と業者の攻防の中で発展してきました。

最近では、2005年の風俗営業法の改正が大きく、店舗を構えることが難しくなり、繁華街の雑居ビルに入っていた店舗型の風俗店のほとんどが撤退を余儀なくされました。

規制が強化されるたびに新業態が生まれる…… 1985年、新風営法施行を2時間後に控え、新宿・歌舞伎町をパトロールする警察官。

これに代わって台頭してきたのは、電話やネットなどで予約をした顧客のもとへ風俗嬢を派遣する「無店舗型デリバリーヘルス」です。ホームページと電話さえあれば誰でも開業できるので、IT関連など一般企業も多く参入しています。

08年には改正暴力団対策法が施行され、「みかじめ料」という縄張り内での営業許可代を上納させていた暴力団が弱体化。地域によって無店舗型の風俗店から手を引いたため、ますます開業しやすくなりました。

かたやインターネットの発達で風俗嬢のなり手も格段に増えています。メールで簡単に応募できるため、参入障壁が一気に下がったのです。