住宅は一生に一度の買い物だが、本当に「一生」暮らせるのか。年を取ってからも安心できる家選びと手直しの新常識をプロに聞いた。

家具が大型化、狭い和室はますます狭く

住宅を買うときは、体が元気であることを前提に選びがちだ。しかし、70歳を過ぎて体力が衰えてくると、若いときには何でもなかったものが牙をむく。

高齢者になると、どのような住宅が暮らしにくくなるのか。住まいのアドバイザーである中川寛子さんに具体的な問題点を指摘してもらった。真っ先にあがったのは、段差の多い家だ。

「バリアフリー基準で、床の高低差は5mm以下と定められています。しかし一般的な日本の住宅には、敷居や和室との境目など数cm単位の段差がいたるところにあります。この程度なら平気と考えるのは間違い。高齢者は身体機能の低下にともなってすり足で歩くようになるので、わずかな段差でもひっかかりやすい。高齢者は転倒しただけでも骨折等の重傷になる場合があるので要注意です」