日本人はものの考え方を変えた方がいい
――ベンチャー経営者が生まれてこないことには新しいものが生まれてこないわけです。寄らば大樹の陰という発想では日本はダメだと思うのですが。
「寄らば大樹」といいますが、頼ることのできるような大樹が日本の産業界に本当にあるんでしょうか。アメリカを支えているのは、グーグルやアマゾンのような躍動感のある会社で、"大樹"ではない"新樹"ですよ。若いベンチャー企業がアメリカの経済のダイナミズムを支えているんですよ。日本人のものの考え方をそろそろ変え、自分の足で立って、自分で自ら挑戦して新しい地平線を切り開いていくという方向に重心を移していかないと日本の将来は暗いですよね。
――レノバというベンチャー企業の特徴は。
ディ・エヌ・エーを創業した南場智子さんなどもご出身のマッキンゼーで働いていた2人が中心となって作られた会社です。当初はリサイクル事業をコンサルティングする「リサイクルワン」という会社としてスタートし、その後リサイクル事業などを手がけ、今は再生可能エネルギーに焦点を合わせています。ただ再生可能エネルギーといっても太陽光発電、風力発電、地熱発電、バイオマス発電などいろいろあるわけですが、複数の再生可能エネルギー電源を開発して、電気を供給しようとするベンチャー企業は日本にはまだあまりありません。風力は風が吹いていないときには発電量は落ちるし、ソーラーも太陽があたっていないときには発電できません。再生可能エネルギーといっても、ひとつの電源だけに頼っていると全体として安定性を欠くこともあるけれど、複数の種類の電源があれば、お互いに補うことができる。それに地熱発電やバイオマスなどの安定電源をもっていれば、24時間発電できますから安定度を増す。そんな新しいエネルギー供給体制を作ることを、レノバは目指しているのです。
――現在、売り上げは55億円程度ですが、これから10倍、あるいは100倍ぐらいにできそうですか。
きわめて元気に成長しています。もともとプラスチックスのリサイクルではじめて、メガソーラーで成長してきて、今後数年はメガソーラーが主力のエネルギーになります。そのあとは、陸上の大型風力、洋上風力、地熱・バイオマスなどでぐっと成長性を上げる形にあると思います。