シリコンバレーで日本の禅が大きく花開いた
本題に入る前にマインドフルネスについて説明しましょう。決まった定義はありませんが、「優しさ、好奇心、そして受容の心を具現化した状態」のこと。つまり、自分の感情に注意を向け、その瞬間に感じていることを受け入れることを意味します。
ビジネスなどでは、そのとき集中すべきこと一点に気を集中して、ほかに対して無心になることで、最大限成果を発揮できると言われています。仏教の座禅での瞑想とも同じような考えなので、実は日本にはもともとあったものなのです。
マインドフルネスでは、自分を取り巻く状況に対して、より繊細に思いやりを持って接することを推奨しています。真剣に取り組めば、我々の健康や人間関係を変え、自分が世の中に与える影響までも変える可能性を秘めています。
このマインドフルネスが主流になった理由は3つあると思います。1つは、マインドフルネスと瞑想がストレスを軽減し、人々の免疫力を高めてより健康にし、集中力を強化し、さらに注意力を特にコントロールできるということが脳科学の分野で科学的に証明されたことです。
2つ目は、我々の日常生活のスピードが速くなり、スマホなどIT機器への依存からメンタルバランスを失いがちになることへの危機感です。そこから少し抜け出してバランスを取り戻す必要があることに、多くの人が気づいたためです。
3つ目は、以前ならエキセントリックと思われてタブー視されていた瞑想が広く受け入れられていることです。その背景にはヨガが一般に受け入れられるようになり、瞑想はそのヨガの延長上にあることで受け入れられるようになったことです。