「人に向かって話す」ではなく「人と話す」

ひとりひとりの目をみる(ように見える)ことは、相手を引き付けるために重要だ。全体を見渡し、ボスと部下がやってきたなら部下の目だって見たほうがいい。たとえ決定権を持っていなくとも、聞き手を大切にすることでいい方向に作用することだってある。「人“に”向かって話しているのではなく、人“と”話しているという意識をもつこと」は、聞き手との間の壁を取り払い、柔軟に話を受け入れてもらいやすくなるものだ。

そして、多くの人が緊張したときになりがちな“早口”に気を付けたい。聞き手が話の内容を理解しようとしているとき、早口ではついていけなくなり、やがて迷いだすと簡単に背を向けてしまう。むしろ、しばらく間をおいて深く長く呼吸をするほうがいい。

「1語ずつ 間を置いて 話をしても、 聞き手は 不思議と 待ってくれるもの」なのだ。

こうして複数の人、特に大勢を前に話をすると、中には横に首を振り続けたり、怪訝な顔をしたりする人が出てくるかもしれない。そんな、多くの人にとって一番難しい相手を克服するのは、こんな方法だ。