気にしすぎだろうと思わないことが重要

40代から50代はまさに働き盛りの世代。過密なスケジュールや、強いプレッシャーに常にさらされ、加えてデジタル社会へ移行するにしたがい、仕事を素早く同時進行で処理することが求められるようになりました。そうしたことからちょっとしたミスが増えることもあります。でもその多くは、認知症による物忘れではなく過労や睡眠不足による注意力や集中力の低下によるものです。

例えば、長年お酒を飲んでいる人は4、50代になると、ど忘れをよくするようになることが知られています。これはお酒の量や回数を減らすとかなり回復します。

最近、1番多いのがうつ病による物忘れです。うつ病は仮性認知症ともいわれ、認知症と似た症状を示します。うつ病が原因で思考の流れが遅くなり、思い出せない、うまくまとまらない、判断が鈍る、というようなことがたび重なると認知症と似たような状態に陥るわけです。

甲状腺の機能低下症によるホルモン異常やビタミンB群の欠乏という内科的な疾患によっても、物忘れ、意欲減退といった症状は表れます。また、脳脊髄液が溜まってしまう正常圧水頭症や頭部打撲で引き起こされる慢性硬膜下血腫など、脳外科的な疾患が原因の場合もあります。

そして、4、50代の人がかかる若年性認知症による物忘れ。このように寝不足から認知症まで、物忘れには様々な原因が考えられるのです。

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あなたの脳機能、チェックしてみよう!

病的な物忘れかどうか見極めのポイントは3つ。(1)頻度:物忘れの回数が以前より増えてきたか。(2)程度:お客さんとのアポを忘れる、報告書をうまく書けないなど。物忘れで生活に支障をきたしてないか。(3)広がり:物忘れだけではなく、字が書けない、計算や言葉が出ないなどの兆候はないか。

一言でいうと変化です。今までとは違う変化に注意してください。