頭に血が上った客が怒鳴り込んできた
⇒怒りが収まるまで感情を受け止める

:ちょっとおたくの商品、まともに動かないよ!
自分:当社の製品が正常に作動しないということですね?

◆適切な相づちをうち、相手の言葉を繰り返す
相手が感情的になっているうちは、反論も質問もしない。共感の相づちと相手の言葉を返すことで、ひたすら聞くことに徹する。

:そうだよ!まだ買ったばかりなのにどうなってるんだ?
自分:お買い上げいただいたばかりなのですね。
:ああ、そうだよ。いざというときに動かないんじゃ何の役にも立たないだろ!

◆「ああ」「そうだ」など肯定的な返事を引き出す
「◯◯なのですね?」と相手の言葉を繰り返せば「そうだ」など肯定的な返答が引き出せる。相手の気持ちを徐々に鎮める効果がある。

自分:おっしゃる通りです。もし私がお客様の立場でも、大変困惑すると思います。
:だろう? 買ったばかりで普通に使っていただけなのに、急に止まっちゃったんだ。ったく……
自分:お怒りごもっともです。この件は私、◯◯が最後まで対応させていただきますので。
:そうか、こっちも困っているんだよ。

◆同じことを繰り返すうちに怒りが収まる
怒りのネタとエネルギーには限度がある。何度か同じことが繰り返されるが、ただただ聞いていればボルテージは弱まってくる。

自分:ご無理ございません。それではお客様、いくつか質問させていただいてもよろしいでしょうか?

◆怒りが収まったところで事実に関する質問をする
怒りをすべて吐き出した相手はスッキリした気分になっている。事実に関する質問や解決策の提示をするのは、それから。

【NGワード】
・ですが、お客様……
【POINT】
怒りのクレームに対するベストな対応は、ひたすら聞いて攻め疲れを待つこと。人間はそうそう長時間怒り続けられるものではなく、いずれエネルギーは尽きる。ひとしきり吐き出せばスッキリして、こちらの話を聞いてくれる。それを待たず途中で口を挟んだり、言い訳や反論をして火に油を注ぐ真似だけは慎むこと。
―怒っている相手に冷静すぎる対応は火に油を注ぐ結果になりかねない―
こちらが感情的になっては話にならないが冷静すぎても逆効果。相手の状況を汲み取る少し困った表情と「ええ」「なるほど」「そうでしたか」などの共感の相づちで理解を示す。

菊原智明
営業サポート・コンサルティング代表取締役
大手メーカーで7年間鳴かず飛ばずも、話し方・伝え方を究め4年連続No1の成績に。

 
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