困難が目の前に立ちふさがったら、真っ先に何をすべきでしょうか。アメリカの経営学者シュトルツは、問題発生時の解決手順として「LEAD法」を提唱しました。
問題が起きたら、まず現状把握のために話を聞いて(Listen)、問題の所在を探り(Explore)、原因を分析して(Analyze)、対応策を実行する(Do)。この4ステップで対処することが理想的だというわけです。
ところが問題が大きかったり緊急だったりすると、多くの人は慌てて最終ステップの「Do」から入ろうとします。いきなり行動から入ると、情報収集や問題分析のステップを踏んでいないので、結局はどうしていいのかわからず、「どうしよう」と呆然としたり、パニックに陥ってしまう。これでは困難な事態がさらに悪化するだけです。
クレーム対応で説明するとわかりやすいでしょう。お客からクレームの電話がかかってきたら、まずは話を聞き、原因を分析すべきです。その結果いまやるべきことが見えてくれば、あとはベストを尽くすしかないという割り切りが可能です。ところがそれらのステップを飛ばして「とにかく謝りにいかないと」と考えると、先の展望が見えないので気が重くなる。頭では困難に立ち向かおうとしているのに、気分が滅入るのはそのためです。
困難を乗り越える意識は、「達成動機」とも深くかかわってきます。達成動機は物事を成し遂げようとする気持ちのことで、これが高いほど困難に対して怯まずに向かっていけます。