「厚労省は情報管理を厳重にするように、うるさく言っていますから、自分のテスト結果がバレる可能性は基本的にないと思います。ただこの制度はあくまでも性善説にもとづいたものなので、本当に自分の会社が信用できなければ、社員は受けなくてもかまいません」(武神医師)

つまり従業員50人以上の会社にはストレスチェック制度の実施義務はあるが、社員が受けるかどうかは任意。なるべく受けることが望ましいが、受けないことで社員が不利益を被ってはいけないと決められている。

テストは次のように進められる。

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12月から始まるストレスチェック、設問一例

まず「非常にたくさんの仕事をしなければならない」「時間内に仕事が処理しきれない」といった質問項目に対し、「そうだ」「まあそうだ」「ややちがう」「ちがう」というように4段階で答えていく。質問の範囲は大きく3つの領域に分かれており、1つめが人間関係の状況や仕事の量や質を尋ね、ストレス要因があるかどうか、あるとすればどの程度かを探るもの。2つめは会社や家族など、周囲のサポートの有無についての質問。3つめは現にストレス症状が現れているかどうかを尋ねるもの。この3領域にまたがっていれば、どんな質問を用いてもいいことになっている。

「厚労省が標準的な質問として用意した57問を使わなくてもいいんです。会社が作ったオリジナルな質問でもいいし、業者の作った質問でもいい。ですから80問で実施する会社もあるし、200問で行う会社もあります。極端なことをいえば、1領域1問、合計3問でもいいんです」(同)