ポイント4▼「ピッチャー」になろう
アンケートの分析(*)から、読者の多くは、読書が好きだったり、文章を書くことが苦ではなかったり、国語の成績がよかったりしたということがわかっています。国語力は上手に話すための強力な下地となるものです。また、「接待やデートでは、相手の好みを聞いてから店を選ぶ」という設問に、7割以上の人がYESと答えています。これは、他人の意向に沿う能力が高いことを示しています。
*【前編】http://president.jp/articles/-/16801
コミュニケーションは受信と発信との相互作用ですが、多くの人は受信に関しては潜在能力が高いということがいえるでしょう。受信役、つまり「キャッチャー」としては、かなりの力を持っているのが日本人なのです。
問題なのは、発信するほうです。「ピッチャー」としての能力に自信がない。それを磨くにはどうしたらいいか。
失敗を恐れずに、ボールをたくさん投げることです。手本になる人の話をとにかく真似しましょう。もしあなたがスピーチをする機会があったら、必ず録音をして何度も聴きましょう。
自分の話し方の癖や欠点に気が付くことは、とても恥ずかしいことです。でも、周囲の人にはいますでに、その恥ずかしい姿を見られているのです。ひるまずに聴いて、等身大の自分を知りましょう。
客観視すると必ず、自信がつきます。卑下せず、威張りもせず、平常心で話をすることができるのです。
西任暁子(にしと・あきこ)
大阪生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。在学中にラジオDJデビュー。現在は、スピーチコンサルタントとして独立し、「話し方の学校」学長も務める。U.B.U.代表取締役。近著に『「ひらがな」で話す技術』(サンマーク出版)がある。
大阪生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。在学中にラジオDJデビュー。現在は、スピーチコンサルタントとして独立し、「話し方の学校」学長も務める。U.B.U.代表取締役。近著に『「ひらがな」で話す技術』(サンマーク出版)がある。
(久保田正志+プレジデント編集部=構成 宇佐美雅浩=撮影)