ポイント2▼部下の話を聞き出そう
話をするときは「相手に伝わること」が何よりも大切です。それには、相手が何を望んでいるか、何を自分に伝えようとしているかを知らなくてはなりません。「話し上手は聞き上手」というのは、このことを指しています。
企業研修などで、「部下の話を聞いてあげていますか」と管理職の方に質問すると、たいてい「聞いています」という返事が返ってきます。
しかし、現実にはきちんと聞けていないケースが多いのです。部下が話している途中で遮ってしまい、「それは違うだろう」「こういうことじゃないのか」と決め付けることも少なくありません。
あるとき、とあるビジネスリーダーが、「部下の遅刻癖をやめさせたい」とこぼされました。
私が「その部下は、自分では遅刻をしたくないと思っているんでしょうか」と尋ねると、得心がいかないようすで「もちろん、そうでしょう」と答えました。改めて聞くまでもなく、そうに違いないと思い込んでいるのです。
「遅刻をしたくないと思っているのにやむをえず遅刻してしまうのか、それとも『朝の会議なんか遅れても構わない』と考えて遅刻するのかで、対応の仕方も違ってくると思います。部下の本心を聞いてみましたか?」
重ねて聞くと、「そう言われると、わかりません」。話を聞いているつもりが、実際には聞けていなかったのです。
武蔵野の小山社長は、オフタイムに社員と話すときは、つたない話し方でも遮らずに一旦全部内容を聞くようにしているといいます。このことは重要だと思います。ビジネスパーソンなら、まずは部下の言葉をきちんと聞くことができているのかを自問してみるといいでしょう。