このごろ仕事の関係でM&A関連の話をよく聞くようになった。そのこともあり、自然と私の目は本書に惹かれた。著者の三宅卓氏は日本最大の規模と実績を誇る日本M&Aセンターを率いる社長で、2000社のM&A成約に陣頭指揮を執った経験者でもある。
しかし、百戦錬磨のはずの著者が心酔しているのは、リバーサイドというアメリカの同業者だ。M&A先進国とされるアメリカでも、リバーサイドは業績が好調な中堅企業の買収に特化した、世界でトップクラスのファンドである。

本書の中で三宅氏は、リバーサイドは単なる投資家ではなく、むしろ企業の「運営」という分野に優れた実務家集団だ、と褒めている。彼らは買収した企業の価値を高めるために、リストラに頼らず、企業や経営者の潜在能力を引き出すマネジメントの方法論を蓄積している。すなわち、PMI(合併後の経営統合)の具体的な手法である。実は無味乾燥な内容かもしれないと覚悟して読み始めたのだが、実例の面白さに惹かれて、一気に読み終えてしまった。
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