メンバー全員で、チームを動かすリーダーシップ

本連載でご紹介したヤフー、インテリジェンス、アサヒビール、日本郵便、電通北海道と北海道美瑛町による異業種コラボレーション研修「地域課題解決プロジェクト」は「個人の開発」と「チームの開発」の双方を取り入れたリーダーシップ研修でした。(「アサヒビール、電通、ヤフー……エース社員研修に潜入」http://president.jp/articles/-/15734)各社の次世代リーダー人材が集まり、美瑛町の社会課題解決に取り組むことをテーマにしたプログラムでしたが、研修の最終日には、全プロセスとチームの状態について徹底的に振り返る時間を設けました。また、全チームメンバーから甘口、辛口のコメントをもらうなど、自分自身の強み、弱みを知る「個人の開発」の機会もつくりました。

このような異業種のチームビルディング型のリーダーシップ開発プログラムが行われるようになってきたのには、ダイバーシティが進み、ビジネスの場で多様な人と協働する必要性が増しているという背景があります。様々な属性を持った人が集まったチームで課題の設定から解決までを行うためには、もはや一人のリーダーが全員を率いていくようなリーダーシップではなく、チームメンバー全員でチームを動かしていく形のリーダーシップが必要になってきているという側面があるのです。

「自分はグイグイ人を率いていくリーダーシップとは無縁」と思っている人でも、メンバーの一員としてリーダーシップは大事なものです。今後、その傾向はますます強まるでしょう。リーダーシップは誰にでも他人事ではないと、まずは認識することが大事なのではないでしょうか。

(構成=井上佐保子)
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