清水さんを含め、保険を販売せず、有料相談に絞っている専門家は少数派。その一人である後田さんも、「チャネルを問わず、保険会社から手数料を受けているなら、相談員ではなく販売員であると認識すべき」と話す。

「洋服なら、どんなに店員さんに勧められても、鏡を見て判断できるが、保険は一目でチェックするのが難しい。売ることで利益を得ている人に相談を持ちかけることに、危険性がともなうことは否めません」(後田さん)

では、生保レディはどうか。

企業のオフィスに入り込んで行う職域営業も、最近は企業のセキュリティ強化によって減ったというが、一部では健在。学校もガードが甘いと聞く。

生保の元営業マンA氏は、上司から、「彼女たちに保険が売れるのは保険に詳しいからではない。自分より知らない人を見つけることに長けているからだ。勉強したって売れない。営業はそんなに甘くない」と叱咤されたという。

必要のない保険を買わされる現実

さらに最近はポータルサイトも話題だ。ウェブサイトで無料相談の勧誘を行い、申し込んできた人の情報をFPや代理店に有料で提供するというものだ。サイト上には保険の基本的な知識が掲載されており、消費者からすれば、ネットで保険の情報を探る途上で発見、無料だから相談してみよう、というわけである。なかには登録料がかかる会社もあるが、顧客探しで苦労する代理店にとってこれは魅力だ。

ポータルサイトでは、「押し売り禁止」など消費者が安心できるシステムを構築しているし、「中立の立場でアドバイスを貰えた」「保険料の負担が軽くなる見直しができた」といった利用者の評価もある。これは保険ショップでも同様だ。

実際、良心的なアドバイスをしている担当者もいるはずで、そうでなければ相談者は増えない。しかし「保険選びは担当者選びという人もいるが、それができるのは保険のことがわかっている人」(後田さん)。別の選択肢があった可能性もゼロではなかろう。