突然の「試練」から遺伝子事業始める
企業のトップに立った人には、ある種の華やかさがあるが、そこに至る道は、必ずしも平坦ではない。トップになってからも、様々な難局にぶつかる。この連載で取り上げさせていただいた方々も、何らかの厳しい試練や厚い壁に遭遇していた人が、過半を占める。
DeNA取締役会長 南場智子
自分の将来がみえる、この仕事の次はどうなるか、想像がつく。そんな「予定調和」とも言える人生は、試練や厚い壁からは逃げられるかもしれないが、ベンチャー精神が旺盛な人には退屈で、とうてい我慢できない。でも、予測不能の人生も、大変だ。試練や厚い壁は突然、やってくる。そして、対処の仕方に定型はない。
2011年4月末、夫が癌を告知された。手術はできると言われたが、治癒の見通しは立たない。パニック状態となった。どうすればいいのか、いくつもの病院を訪ねて意見を求め、インターネットでも情報を集める。子どものころから、ほとんど泣かない。会社をつくり、2003年度下期に初めて黒字化を達成したとき、数字をみていてうれし涙が滲んだが、泣き顔は人にみせていない。でも、夫の病気では、新幹線のような衆人の視線のなかでも、涙が流れ続けた。49歳のときだ。
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