小倉流から学んだ「全員経営」の手法

2009年春、国際貨物などを扱うヤマトロジスティクスの社長になって2年目、全国の営業拠点で「エリア戦略ミーティング」を始めた。拠点の責任者から若手まで約30人、意見や提案、不満を、次々に言わせる。尻込みする若手にも、無理やり「こういうサービスをやったらどうか」などと提案させた。手前みその話も出たが、終わるまで、じっと聞く。

話が終わるたびに、「面白いけど、ここはどうなの?」「もう少し工夫できないか?」などと、お客の目でみた問いを投げかける。どうすればいいか、答えがわかっていても、黙っている。若手たちに、自分で考える習慣を身につけさせるのが、狙いだからだ。