業容転換を前提に「大きな絵」を描く

2000年5月、岩沙弘道社長(現会長)が、グループの中期経営計画(中計)を発表した。すでに、三井不動産単体の中計があったが、1998年に社長に就任した岩沙氏は、グループの「21世紀の姿」も描くことに踏み切った。そのグループ中計を策定し、社内外に強調すべき点をまとめ、社長の了解を得る役を、業務企画室長として務めた。45歳のときだ。

三井不動産社長 菰田正信

土地やビルを持っていれば、時間とともに利益が出る「右肩上がり」の時代は終わり、それらをいかに活用して価値を生むか、「価値創造」の能力が問われていく。一方で、米国のように不動産の証券化が進み、新たな資金が流入して、所有と運営・管理は切り離されていく。となれば、当然、証券化への運用と管理・運営などの専門性が、必要な時代を迎える。