部下の力引き出す「2週間」の猶予

いつも、「物事には、何でも、簡単に答えが出るものと難しいものがある」と思っている。経営でも同じで、答えが簡単に出るということは、それまでに議論やテストなどが煮詰まっているからで、煮詰まっていないものもある。それを煮詰めていくプロセスが必要で、煮詰めずにやってしまうと危ない。そう、自戒を重ねてきた。

ヤマハ発動機 社長 柳 弘之

1998年4月から3年余り、40代の半ばに、静岡県・森町にある二輪車のフレーム工場で、生産の管理と効率化を指揮した。最後の1年余りは工場長も務め、浜松市にあるマフラー工場のトップも兼ねた。この間に森町工場で取り組んだ「溶接ゼロ」の技術革新でも、後で触れる生産本部長時代の「理論値生産」の体系化でも、そうしたプロセスを重視する。ときには、意識して部下たちに「煮詰めるための時間」を与えた。100点満点に近づく努力を続けてもらうのが、本意だった。