「自覚症状がなければ、悪い数値でも慌てる必要はない」と生活習慣総合研究所所長の工藤医師。
まずは自分の健康診断表を見直すことから始めよう。
元体育会系大食漢のケース
Dさん 46歳
身長(cm):171.1
体重(kg):76.5
BMI指数:26.1
腹囲(cm):88.5
メーカー勤務の営業マン。会食の機会が多く、食生活は乱れがち。元来体育会系なので、昔から大食漢。最近は運動不足だが、若いころと同じように食べるので肥満気味。
doctor's check――肥満じゃなくても糖尿病ってことはある
BMI指数が25以上の、肥満体の人は注意してください。でも痩せているからといって油断は禁物です。糖尿病は、血液検査で空腹時血糖値が高く、ヘモグロビンの量が多い数字が表れます。精密検査には眼底写真、糖負荷試験などがあります。糖尿病は発症すると厄介な病気なので、生活習慣を早急に改善しましょう。
生活習慣病のひとつである糖尿病。ブドウ糖の代謝に異常が生じる病気だ。ひと口に糖尿病といっても原因は様々で、大きく分けると一型糖尿病、二型糖尿病、その他の疾患に伴う糖尿病、妊娠糖尿病に分類される。なかでも糖尿病の95%以上を占め、40歳以上に起こりやすいのが二型糖尿病。よく、「甘いものが苦手だから糖尿病の心配はない」という声を耳にする。しかし、これは必ずしも正しくない。二型糖尿病の原因は、暴飲暴食、運動不足、ストレスなどのライフスタイルの乱れによるもので、決して甘いものだけではないのである。
一般に空腹時血糖値が126mg/dl以上になると糖尿病と診断される。血糖値とは血液内のグルコース(ブドウ糖)の濃度。炭水化物や酒など、糖質が消化されると体の中にエネルギーの源となるブドウ糖が生まれ、血液の流れに乗って体中に運ばれる。このブドウ糖をコントロールするのがインスリン。ところが、糖尿病になると、インスリンの働きが悪くなり、ブドウ糖が細胞の中に運ばれなくなり、血液の中にあふれてしまうのだ。