「自覚症状がなければ、悪い数値でも慌てる必要はない」と生活習慣総合研究所所長の工藤医師。
まずは自分の健康診断表を見直すことから始めよう。
晩酌と塩辛い食べ物が好きな人のケース
Eさん 48歳
身長(cm):166.3
体重(kg):65.4
BMI指数:23.6
腹囲(cm):90.0
商社勤務。デスクワークが中心なので運動不足。数字を扱う部署なのでストレスが溜まりやすい。楽しみは毎日の晩酌。塩辛い食べ物とご飯が大好きで野菜や果物は苦手。
doctor's check――高血圧は万病の元。血圧管理の習慣を
血圧は1日の振れ幅が大きく、時間帯や、病院だと上がる「白衣高血圧」のように場所によっても変化することがあります。腎臓、ホルモン分泌異常、服用中の薬など、血圧が上がる原因はさまざまで、わからない場合もあります。精密検査では血漿レニンなど内分泌性高血圧の検査や心臓超音波検査などを行います。
高血圧性疾患とは、常に血管に強い圧力がかかっている症状である。罹患者は4000万人以上ともいわれ、日本で一番多い生活習慣病である。直ちに生命の危険がある状態ではないので、健康診断で高血圧の診断が出てても「血圧が高いくらい」と軽くとらえて放置しているケースも多いだろう。しかし、高血圧性疾患には様々な合併症を引き起こす要因が数多く含まれている。
たとえば脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、狭心症や心筋梗塞、腎硬化症、大動脈瘤、大動脈解離など、合併症には死亡率が高い病気がずらりと並ぶ。
「糖尿病は高血圧が直接の原因ではありませんが、高血圧の人は、健康な人に比べて2~3倍も糖尿病になりやすいのです」(工藤医師)